この記事では、三点支持の基本と岩場・鎖場で体を安定させるコツ、登り・横移動・下りの動き方を解説します。
三点支持のコツ7つ
三点支持では、両手・両足の四点のうち三点で体を支え、残る一点だけを動かして次の足場へ移ります。足場を先に見定め、小刻みに動きましょう。三点支持だけで岩場や鎖場の安全が保証されるわけではありません。
1. 一点ずつ動かし、残る三点で支える
手足を動かすときは、一度に一点だけを動かし、残る三点で体を支えます。動かす順番にいつでも当てはまる決まりはありません。足場の位置や地形に合わせて、次に動かす手足を選びます。
2. 動く前に近くの足場や手がかりを探す
次に置く足や手の位置を決めてから動きます。遠くの足場へ大きく手足を伸ばすと、バランスを崩す原因になります。足を移したら、靴が足場をとらえていることを確かめてから次の動作に移りましょう。
3. 小刻みに進む
一度に大きく進まず、近くにある足場へ少しずつ移動します。腕を大きく伸ばして遠い手がかりをつかみ、腕力で体を引き上げる動きは避けます。足場を一つずつ確かめると、次の動作に移る前に体勢を整えやすくなります。
4. 足場に荷重し、手でバランスを保つ
荷重は基本的に足場へかけ、手はバランスを保つために使います。岩の手がかりを使いながら、足で体を支えられる位置を探しましょう。鎖場でも鎖だけに頼らず、足場や岩の手がかりを活用します。
5. 岩の形を見て足場を選ぶ
岩角や割れ目、突起の中から、足を置ける場所を見定めます。足は岩に対して垂直に置き、靴全体を乗せられない狭い岩角では、つま先を乗せる方法があります。足を置いた後は、靴が足場をとらえているか確認します。
6. 岩にしがみつかず、視野を保つ
不安から岩にしがみつく姿勢になると、次の足場や手がかりを探しにくくなります。三点で体を支えながら、周囲を見る余裕を保ちましょう。進行方向の近くを見て、次に移す手足の場所を探します。
7. 地形に合わせて動き方を変える
登り、横移動、下りでは動作のポイントが異なります。下りは歩幅を小さくし、横移動は一歩ずつ進みます。いつも同じ動作を当てはめず、目の前の足場や段差に合わせて体勢を変えましょう。
| 場面 | 動き方のポイント |
|---|---|
| 登り | 近くの足場を選び、小刻みに移動する |
| 横移動 | 三点で支え、一歩ずつ横へ進む |
| 下り | 歩幅を小さくし、足場を確かめながら進む |
三点支持とは何で、手足をどう動かす?
三点支持は、両手・両足の四点のうち一点を動かし、残る三点で体を支える動き方です。足場や手がかりを確保してから、次の一点を動かします。
固定する手足の順番は状況に合わせる
「右手、左足」のように決まった順序を常に当てはめるものではありません。岩の形や次の足場の位置によって、動かしやすい手足は変わります。三点で支えられている状態を保てるか、次の足場を確保できるかを見ながら移動します。
動作の流れは次のとおりです。
- 次に使う足場や手がかりを探す
- 残る三点で体を支えながら、一点を動かす
- 靴や手がかりが安定したことを確かめる
- 次の一点を動かす
岩場を下るときはどう歩く?
岩場の下りでは、歩幅を小さくして小刻みに足場を確かめます。登りより次の足場を見つけにくい場面があるため、急いで大きく踏み出さず、足を置く場所を一つずつ決めましょう。
段差が大きい場所は姿勢を変える
段差が大きく、立ったまま足を移すのが不安な場所では、腰を下ろして脚を出す方法があります。さらに不安な場所では、岩に向いて下りる方法もあります。段差や足場を見て、無理なく体を支えられる姿勢を選びます。
下りで意識することは次の三つです。
- 歩幅を小さくする
- 次の足場を確認してから足を移す
- 段差に応じて腰を下ろす、または岩に向く
岩場を横切るときに気をつけることは?
岩場を横切るときは、三点支持を保ち、一歩ずつ横へ移動します。急いで足を交差させるとバランスを崩す原因になるため、次の足場を確かめてから足を動かしましょう。
カニ歩きのように一歩ずつ進む
足を交差させず、カニ歩きのように横へ一歩ずつ進みます。足を動かす前に手がかりと次の足場を見定め、残る三点で体を支えたまま移動します。移した足が安定してから、次の手足を動かします。
横移動では、次の順で確認します。
- 三点で体を支える
- 次に置く足の場所を探す
- 足を交差させず、一歩ずつ横へ進む
鎖場では鎖に体重をかけてよい?
足場を中心に荷重し、鎖だけに頼らず岩の手がかりも使って進みます。鎖への荷重は、現場の足場や鎖の状態に応じて判断します。
鎖場では前の人との間隔を取る
鎖場は、鎖の支点と支点の間を一つのピッチとして考え、原則一人ずつ入ります。前の人が次のピッチへ進んだことを確認してから、自分が取り付きましょう。前の人が同じピッチにいる状態で進むと、落石や接触の危険につながります。
鎖場では、次の点を確認します。
- 足場や岩の手がかりを使い、鎖に頼りすぎない
- ピッチには原則一人ずつ入る
- 前の人が次のピッチへ進んでから取り付く
濡れた岩場も三点支持で進める?
雨や雪の後に岩が濡れていると、滑る危険が高まります。三点支持だけを頼りに無理に通過せず、岩の状態や通行情報を踏まえて、引き返す判断も選択肢に入れましょう。
当日の岩の状態と通行情報を確認する
安全に進めると判断できなければ、通過を見合わせます。濡れや凍結があると、足場を確保しにくくなります。登山道の通行可否や崩落、落石、鎖や支点の状態は山域や時期で変わるため、出発前に山の管理者が出す最新情報を読み、通行の判断に役立てます。
三点支持だけで通過できると判断しない
岩場では、登り・横移動・下りにそれぞれ異なる動作が必要です。三点支持という言葉を覚えるだけでは、個々の場所を通過できる技量があるとは判断できません。岩場の動きは、安全を確保できる場所で指導を受けて身につけましょう。
判断に迷ったときは、次の点を確認します。
- 岩が濡れたり凍ったりして、足場が滑りやすくなっていないか
- 行く山の管理者が出す通行情報に変化がないか
- 自分の技量で安全に通過できる場所か
足場を確かめ、一点ずつ動かすことから始めよう
三点支持では、近くの足場や手がかりを先に見定め、残る三点で体を支えながら一点ずつ動きます。登り・横移動・下りで動き方を変え、鎖場では前の人との間隔を確保しましょう。濡れた岩場や不安のある場所では無理に進まず、状況に応じて通過を見合わせてください。
